Saturday 11 February 2017

ムリをして猟犬は飼わないほうがいいかも 







変なタイトルですが、ここ最近立て続けに二件、こんなことがありまして。


一件目は、直接の知り合いではないのですが、
それはそれは素晴らしい猟犬の子犬を飼い始めた方がいて、たまに散歩に連れているのは見かけていました。

ところが最近見ないなぁと思っていると、その人のお友達から、
「諦めたみたい。」と。

ブリーダーの元へ返されたそうです。

手こずっているとは聞いていたのですが、そこまで深刻だとは思いませんでした。



アカ姉さん、歴代から受け継がれたチェーンを付けて。飾りですけど。



二件目は、知り合いの人なんですが、これまた猟犬ミックスの子犬を飼い始めたのですが、同じく「思っていたよりも大変」ということを今となって気づかれたそうです。

既に幼犬コースからは退学を言い渡され、、、近所の犬とは遊ばせてもらえず、、、。


もちろん、猟犬全てが育て難いというわけではないと思います。

ただ、気をつけなければならないのは、日本では家庭犬としてポピュラーな犬種であっても、ドイツでは猟犬になるためにブリードされているラインがあるということ。

別の知り合いも家庭犬として定着のあるテリアを飼っているのですが、子犬の時に「あれ?」と思うことがあり、よくよく調べてみると、猟犬ブリードの血筋だったことが分かりました。


さて、家庭犬と猟犬ブリードにそんなに差があるの?というところですが、私も実際、アカを育てるのには大変苦労した時期があります。



膝の上にある木屑を見る真剣な眼差し。マイはつられて何なに~。


猟犬のことなどまったく無知だった私なので、その方々の苦労は痛いほど分かります。

「子犬の育て方」なんて本をまずは読んでみたのですが、第一章にある「アイコンタクトをとってみましょう」なんて、必要ありません。

トレーニングする前から、めっちゃ見てますから!


家の中では、一日中私をストーキングする。
半分寝ているのに、中毒患者のようにうろうろする。

隔離したことで、やっと”寝る”という習慣を覚えてくれたくらいです。





そして極めつけは、精神的な段階までベッタリな関係をどんどん追求されて、私もそれにどっぷり嵌ってしまい、どちらもその穴から抜け出せない、という段階にまでなりました。

それからだったか、「猟犬の性質」について調べるようになり、それまで全く理解できていなかったことが少しずつ分かるようになりました。


とは言え、全てが解決されたわけではなく、実践はまったく違います。

毎日の散歩の度に、なんで~!?と叫びたくなることばかり。

その後通い始めた猟犬学校で、トレーナーの人を観察していると、これは経験の差だなと思うことがよくありました。

餅は餅屋じゃないですが、猟犬訓練を受けることで、今までうまくいかなかったことが、少しずつ解消していく感覚を覚えました。

「自分と一緒に働いてくれる犬」というのは、独特の関係なんだなぁと。



位置について、よーい、

どん!


話は戻り、その猟犬の育て方で悩んでいる知り合いによると、散歩が出来ないということでした。
ビューーーーンと飛んでいってしまう。

猟犬だけじゃなく、よくある話です。

でも、猟犬の場合、びっくりするくらい遠くに行ってしまいます。
初めは私も心臓がバクバクしていました。

でも、実践の猟になると、それくらい走ってもらわないと意味がない。自分の意思で動けないと、報われない。

という理由で、繁殖されてきた犬なのですから。


最近、Cocoさんが書かれていた記事:「飼い主との距離」が、そのことなのだと思います。



それぞれ犬によって違う距離感があるのだから、他の犬と比べても仕方がない。

時間はかかるけど、安全を確保できる散歩場所を見つければいい。

費用は2倍ほどするけど、猟犬コースを受けてみては?

と、助言したくなるのですが、
「仕事もあるし、子供もいるし、馬も飼っているから時間がない。」と言われてしまうと、


違う犬にすれば良かったのに、、、ムリして猟犬を飼わなくても、、、と、正直思ってしまいます。







でも、一番の悪因は、

なんでそんな家族に犬を売ったのよ、ブリーダーさん!












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2 comments:

  1. アイコンタクトもすでに組み込まれているってすごい!

    猟しない人に売るって、ブリーダーのモラルもちょっと低いのかなぁ?

    使えないのに、一番高性能なカメラが買いたくなるみたいなのに似ているのかなぁって思います。使役犬のラインとか言われちゃうと、プレミアムがつくっていうか、どうせ買うならいいものがいいという勘違い。

    ゴールデンの子犬を探していたころがあったんですが、ガンドック系のブリーダーでも、ペット向きとしてちょっと値段がやすかったりする犬も扱ってました。母犬がたまたま猟犬向けじゃなかっただけで、子犬にすごいハイドライブな犬がでちゃうこともありますよね?
    一度はハイドライブな犬に当たりたいという気持ちもあるんですが、こっちもこれから年取ってくるし、ジェイクぐらいでちょうどいいのかもって思っています。

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    1. 生まれ持った性質って、本当にすごい!って、アカを育てていて本当に思いました。繁殖には興味ないのですが、ここまで左右出来るからこそ、没頭する人がいたんだろうなと想像出来ます。

      ブリーダー問題は個人のモラルの問題だとつくづく思います。そのテリアも売れ残りだったみたいで、誰でもいいから早く引き取り手が欲しかったんだと思います。

      プレミアム好きもあるんでしょうか(苦笑)。確かに猟犬好きって居て、自分にない能力を持つものへの憧れ、みたいなところがあるような。。

      ハンター雑誌をよく読んでいたんですが、母犬と父犬の経歴によって、値段が変わってくるみたいですね。でも、Cocoさんがおっしゃるように、親が優秀でも子は、、、なんてことは、よくあることだし、、。経験のある人なら、子犬の段階で見込みがあるかどうか分かるそうなので、金儲けでブリードしている人は避けるべきですね。ドイツ軍で犬のトレーニングをしていた人が言っていましたが、全国の子犬情報を集めて直接見に行って決めるそうです。彼の相棒も雑種です。
      自分の目を鍛えるしかないのかも!!

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