Wednesday 16 March 2016

野犬マイ日記ー(飼い主の失敗) 







いつから書き始めようか、何から書き始めようか迷っていて、
それに、自分にとって重すぎるテーマだったので、今までなかなか書けずにいました。


さて、話はずーーっと遡って、マイをアダプトして数ヶ月が経った頃、ちょうどマイのうちに来てから初めてのヒートの直後、猟犬アカとのちょっとしたニアミスがあった。それまで、そんなことに気づいていなかったので、晴天の霹靂、ああどうしよう!と、問題が生じてから慌てる典型的パターン。

そして、より深く観察し始める。

ここで、人間心理の習性で、「問題があるのではないか?」という前提のもと、犬を見るようになる。既にここでアウトなのだが、それに追い討ちをかけるように、

犬の専門家に見てもらおうと、色々なトレーナーを訪れてみた。それは別に悪いことではない。でも、想像上の問題の原因を探そうとする姿勢からは、何も見えてこない。

数人に見てもらい、「社会化不足」と言われ、原因を探していた私達は、あっさりその言葉を信じてしまった。

判断を下したトレーナーが悪い訳ではまったくない。数時間犬を観察しただけで、全てを把握出来るスーパートレーナーなどは存在しないのだから。それよりも、ありもしない答えを探している飼い主が、その判断を信じてしまうのが危険だ。


それから、そのレッテルを抱えさせられた犬は、その想像上の問題を解決するため、様々なトレーニングというものを受けさせられる。


ここまで書いても、深く深く溜息をついてしまうほど、反省している。


遊び疲れて寝そべる犬。

それでもちゃっかり一番お気に入りの犬の側を確保。


そもそもの始まりは、リード付きで散歩していると、時々他の犬にガウガウしてしまうところから、アレ?と思い、アカとの喧嘩で、これは深い何かがあるはず!と決めつけた。

過去が分からないのを良い事に、色々と想像を膨らませて、トレーナーの「他犬との社会化が出来ていない」という言葉に、きっと野良犬時代が少なく、何らかの形で閉じ込められていたのかも、と思い始め、フェイスブックを通して保護した人を探したり。でもロシア語だし、教えられた名前なんて、ロシアに何人いるんだ?って感じだし、、、。

このブログに、「野良犬出身は、犬社会をより理解してるはずなのに、、、」と、コメントをして下さった方もいらっしゃった。

それなのに私は、他犬に攻撃的な反応を見せる犬=犬社会を知らない犬、という考えを基に、犬の学校にも通い始めた。

半年以上続けたのか、オビディエンスのコースに参加して、”犬に慣れさせよう”と、あの手この手を試みる毎日。

今思えば、大きなお世話だ。
犬社会で生きてきた犬に、他犬を見せてあげよう!と、わざわざ柵の中に入って、オヤツで騙し騙し、オスワリさせたり待たせてたりしていたのだから。

個人トレーニングというのもやった。

方法は、クリッカーを使ったポジティブ強化。
他犬を近づけたり遠のけたりして、反応を見せなかったら、クリッククリック。

自分で会話できるのに、それを禁止されて、クリッカーの嵐を受けさせていたのだから、ウザったいどころではない。

それどころか逆に、フラストレーションを溜めさせる結果となった。

とは言え、オビディエンスもクリッカーも別に悪いものではなく、問題を解決するためのトレーニングとして取り入れること自体が間違っていた。

今でも、クリッカーは使っているし、オビディエンスで覚えた体を使ってのコミュニケーション法は、色々な場面で活用出来ている。


そんな間に、たくさん本も読んだ。
その中の一つ。



James O'Heare 氏の英語版だと”The Dog Aggression Workbook”

自分の犬が攻撃的だと決めつけていたので、藁をもすがる思いで読み進めたもの。

犬がどのように攻撃性を表すかが、学術的な資料を基に解明されている、とても読み応えのある本。最初に、攻撃を示す犬の脳内のしくみが詳しく解説され、それに対処する幾つかの方法が挙げられている。タイトルがワークブックとなっているのも、その為。

ただ、ここまで詳しく書かれているので、自分の犬と照らし合わせてみると、あれれ?ちょっと違うかも、、と、思い始めた。

それと同時に、引越しも重なって、今まで滅多に犬に会う機会のなかったところから、犬に出会う割合が多くなり、私達の中での疑問がどんどん大きくなってきた。


うちの犬、問題などないんじゃないの? 






続く…


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2 comments:

  1. 犬たちがのびのび暮らしている場所だと、マイちゃんも安心できるんでしょうね。

    私も、ココの過去を想像していろいろ考えましたよ。

    ココの場合、波があるみたいで、問題解決とウキウキさせられることもあれば、悪化したといまだに落ち込むこともあります。

    ココは、テンションが高すぎる犬とマナーの良すぎる犬がダメみたいです。盲導犬系の犬も毛嫌いしてました。犬側の解釈なら、この手の犬が苦手って間違っていないと思うんですが(一種のサバイバル本能で)、人間の立場からみると、耐えるべき範囲の刺激に反応するという意味で社会性がないといわれるのだろうと思います。

    続きも気になります。マイちゃん、がんばれ!

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    Replies
    1. Cocoさんのココちゃんとの試行錯誤の日々を読ませてもらって、私なりにいろいろ勉強させてもらっています。一つずつ少しずつクリアしていくしかないんだなぁと、つくづく思います。

      ーマナーの良すぎる犬がダメって、珍しいですね!盲導犬系ということは、リアクションを極限に制止された犬ということなのかな?普通の犬にとっては、不自然に感じるんでしょうかね。
      テンションの高すぎる犬とはうちのアカ姉さんですか、、確かに煙たがられること多かったです。引き際が良かったので、何も起こらなかったですけどね。。
      うーん、どこまで耐えさせるかも、飼い主の判断と環境次第なのかと思うようになりました。ご近所にみんな口を揃えて社会性が高い(どんな犬とも仲良くできる)と言われる犬に会ってみましたが、まったく他の犬に興味が無いコで、これを社会性と言うのか?と疑問に思うこともあります。
      長々とした回想記にお付き合いありがとうございます(^^)

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