Saturday 13 April 2013

リリースとドイツ人気質





前にも少し触れたかと思いますが、ドイツではリリース(釣った魚を生かしたまま戻すこと)は

一応禁止されています。(魚が規程の大きさに満たないものはリリースする義務があり、このやり方

はよく試験に出るのでまた次回。)

一応と書いたのは、あまり守られていないから。

釣りは人間が楽しむためのものではなく、人間が自然との共存を経験するための行為という

定義づけがドイツの釣り規則の根本にあるらしい。

でも、若い世代ではイギリスから入ってきた紳士なスポーツ釣りを重視する人が多く、魚を無闇に

殺傷しないで釣りを楽しむ人が多い。

他にも釣りの規則の中で、年々変わってきたものも多く、その背景に動物愛護の思想が大きな

要因になっているものがある。私は川釣りをここで習ったので、全てそのまま受け入れているけど

中には納得いかない人も少なからず。

某国の釣り人は、自分の国でやってきた方法を突き詰める。

おじいちゃんアングラーは長い人生で培ってきた方法を突き詰める。

そんな人達に ”でもさー見つかったらどうすんのよ?”と聞いてみたら、某国のお方は

”そんな奴、水に投げ入れてやる”と豪語し、おじいちゃんは一時間くらい(ホントに)その問題点

を討議する。それを他のドイツ人に話してみると、みんな揃って、”ああーあの人はねー”と言葉を

濁してあまり触れたくなさそう。

若い人に至っても、リリースする事について話してみるとサラッと400字詰原稿用紙2枚分くらい

自分の意見をサラッと言ってのける。

この辺、わたくしの思うドイツ人気質なんだな。お上の言うことをすんなりーはい、そうですかと

受け入れず、なぜ受け入れられないかの言い訳意見をしっかり持ってらっしゃる。

特に動物愛護の観点は人によってかなり意見の差があり、闇雲に一定線を引くのが難しいところ。

絶滅の危機にある魚は獲らないとか、不必要に殺傷しないとか基本的なところは言うまでもなく

守るべきだけれど、釣りをしていると微妙な問題に遭遇することがよくあるのも確か。

ここにいると、”お嬢ちゃん、自分のおつむで考えないと足をすくわれるよ” と毎日言われている

ようで疲れるっちゃー疲れるけど、自分の方法を見つけるにはいいところだと思うな。



先週の日曜日に餌釣りに出かけるも、アタリ一つなく。。。
気温9度、水温6度くらい。まだちょっと早いかな。


水はコーヒーからカフェオレに。


ガサゴソ、、、見える?


アメリカ大陸からはるばるやって来たBisam(マスクラット)。デカ!






7 comments:

  1. akaさんの記事で思い出したことが。
    私の日本人の友人の中には「ミュージアムは全く興味ない。わからない」という人がいますが、そういうのも周りのドイツ人には無いです。「わからない」とは言わず、「色々なものは知らないけど、こういう作品が好きだ」とか「以前見た、あの展示はよかった」とか、美術館とか無縁に思える人でも、何やかや自分の思う所を滔々と述べるんですね。
    これ、頼もしい「気質」だと思います。
    私も色んなことに対してちゃんと「自分の立場」を持ちたいとは思ってますが、うーん、まだ筋肉が足りず、フラフラしてますー。
    次回は釣れた魚の写真が見られるでしょうか!?

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    1. ドイツにおかえりなさいまし!ですよね。
      そうですね、話のネタ探しに困るということはないですが、
      立ち話が長くなりすぎて困るということはよくありますね(笑)
      間違ったことを言うのは恥ずかしいとは思わず、何も言わないこと
      のほうが恥ずかしいと考えているようにも思えます。
      それとも間違いも正解も誰かが決めたことだから、
      その辺も疑いにかけているのかしら、、、などなど観察に尽きることなし
      ですね。

      ハッ!釣れた魚、、、気長にお待ちを。

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  2. うむむむ、いかにもドイツ人って感じですね。
    リリースに関しては、美味しくて弱りやすい魚はキープ(カツオ、マグロ ハタ)
    不味いけど弱りやすい魚は状況に応じて(イソマグロ)
    美味しくて弱りにくい魚は、たくさん釣ったら逃がす(カンパチ フエダイ)
    信仰の対象は逃がす(ロウニンアジ)ってな具合ですが、まあケースバイケースですね。
    もしパイク釣ったら一匹目は逃がすでしょうね。
    昔水槽で飼っていて可愛がってましたから。
    でも二匹目はどんな味か確かめるために持って帰るでしょうな。

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  3. 食うより釣りたい!
    だからロウニンアジはなるべく逃がします。
    でもロウニンちゃんはまずくて釣る方が面白いからであって、
    釣って面白い、でも食べても美味しいカツオ、マグロは問答無用でお持ち帰り。

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    1. 返事がいつも遅くなってすみません!!
      携帯とかでチェックできないアナログ生活なもので、、、。

      詳しいキープ、リリース論、ありがとうございます。
      で、美味しさをそこに混ぜてしまったら、ここだと全部リリースです。(きっぱり)
      かといって、全部リリースしたら冷凍の四角に固められた何かわからない
      魚を食べるしかないので、私の場合は”中くらいの魚は持って帰る”という感じです。
      (小さいのは禁止されてる。大きいのは川の主のようで神がかりっぽいから)
      ロウニンアジって漢字変換したら浪人味になるんですね、不味そうです、、いやいや違うって。
      というわけで、リリース論は釣れる人がする話題なんですね。
      恐れ入りました。。。

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  4. やっぱりきっちりしているんですね、ドイツ人!
    ここはフランス語もフランスより簡単になっており、皆さん意見が短い!
    フランスの番組とか見るとフランスの皆さんきっちり意見してるなと違いを感じます。
    キャッチアンドリリース、ケベックはOKですが場所によっては小さくても
    ミミズで釣った魚は必ず引き上げなくてはいけないというのはあります。
    うちは魚が傷んでいなければ大きさによっては離すようにしてます。
    一時仮死状態になって動き出す魚もいます。確かにこちらも真剣勝負じゃないと
    釣ってはいけないなとは思っています。が、時々しょうもない小さいのが食らいついてくる!
    長生きしようよ~!
    あら、マスちゃん、そちらにも出没ですか?

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    1. きっちりしなくていいことまで、きっちりしたがる
      という感じでしょうか。(毒)
      なるほど餌釣りはリリース不可というのもあるんですね。
      餌で釣るとどうしても飲み込ませ易いからでしょうか。
      昨日もその小さい奴が食らいついてきて、しかたなく今日のお昼に
      フライパンへ。電気代が気になるくらいフライパンの中央で小さく
      横たわっていました。。
      あ、マスクラット、こちらで問題児になっています。
      それ用の罠をあちこちで見ます。でもよく見るとかわいい目してるんですねー。

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